アメリカ人のマスク事情…新型コロナウィルスでもしない?今後もアメリカ人はマスクをしない理由

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花粉症や風邪はもちろん、すっぴんを隠すためにさえマスクをするのが普通になっている日本の文化。それになじんでいる日本人がアメリカの花粉症の時期を体験するのは、なかなかつらいものがあります。

アメリカ人は本当にマスクを着用しません。そもそも医療関係者以外がマスクを使用する発想もなければ店でもまず売っていません。花粉症の時期でもみんなひじでクシャミをするくらい。

 



『あの肘の部分、どんだけ汚いんだろ…』

 

何度かそんな風に思ったものです。

『アメリカでマスクを流行らせる!』と意気込む日本人を見たことがありますが、絶対無理でしょうね。。。

 

マスクを推奨したトランプ大統領でさえ『必要だと思わない』とマスクをつけないアメリカ。アメリカのトップがこれ。

新型コロナウィルスで毎日2000人ほどの人が死んでいく中、ついにマスクだらけの光景を見ることになったアメリカでのマスク事情を私の体験から執筆していきたいと思います。

マスクを着用し始めたアメリカ人

いち早く感染拡大したNY州やカリフォルニア州、ワシントン州をのぞき、アメリカ人全体が新型コロナウィルスを真剣に『ヤバいな』と感じ始めたのは4月はじめくらいからじゃないでしょうか。

 

3月終わり頃のスーパーや公園、アパートの住人の様子は…、

一部のアジア人以外はマスクもしてないし6フィートの距離も保っていない、アパートでは外出禁止令が出た後でも友人たちが集まってプールサイドではしゃいでいる…、

 

お互いに直接触ったり、敢えて近づいていくことはないですが、それでも『そんなに心配しなくても大丈夫よ』という態度に見えていました。

 

3月20日頃、開店前のCOSTCOに長い行列ができていたときも、マスクを持ってたにも関わらずするのをためらっていた私。

 

それは、ほとんどの人がマスクをしてなかった(9割)こともありますが、NYでマスクをしたアジア人(中国人)が襲われたことから、『マスクをしているアジア人』だから危険が及ぶかも…とちょっと思っちゃったからです。

 

でもやっぱり…とマスクをしました。

ジロジロみられてる感はありましたが、開き直り。『マスクつけてますけど何か?』という態度をしながら内心ドキドキしてました。マスク着用にこんなに緊張するとは…。

 

本当にマスクはアメリカではアウェイ感が強いですね。

 

 

この時のアメリカ人の様子から、やっぱりマスクをするのは医療関係者、自分たちではない、という感じがひしひしと伝わってきましたね~。単にマスクが手に入らなかったという人もいると思いますが。

中にはSNSで

『マスクを持っている方はどうぞ医療関係者に寄付してください』

と呼びかけている人もいました。

 

そのくらい『マスクは、第一線で働き続ける医療関係者のもの』であって、それ以外の一般人は、その人たちに回ってからにしましょうよ、という感じでした。

 

ところが、4月に入ってアメリカの新型コロナウィルス感染者が世界一になり、死者がどんどん増えるとマスク人口が増加。マスクが手に入りやすくなったこともあると思うし、手作り人口が増えたこともあります。

 

そこにきてトランプ大統領が『マスク推奨』発言をしたこと。これまでアジア人と黒人女性の中ではよく見られたマスク姿だったのに白人がつけはじめた…!と思ったのもこの頃でした。(NYは別)

今では公園にいる人を除き、ほとんどの人がマスクをしています。

 

 

そうはいってもトランプ大統領自身は『私はマスクしたくない』っていまだに着けてません。なんじゃそりゃ。

 

ファーストレディのメラニアさんは写真付きでマスク推奨してましたけど…。


 

アメリカの新型コロナウィルス感染者や死者が世界トップをぶっちぎるのは予想通りでした…。

 

コロナチャレンジとかでインスタファンを増やしたり注目を浴びようとする信じられないバカが出てくることや、マスクの効果云々ばかり討論してつけようとしない人たち。

 

6フィートの距離を保つよう言われても、外出禁止令が出ても無視する人達。。。

 

今でこそそういう人たちは減っていると思いますが、もう手遅れ。

すでにアメリカは新型コロナウィルスで世界一打撃を受けている国に。

 

 

アメリカ人にとってマスクとは


日本ではダイソーで30枚入りで100円で買えるマスク。1枚3円。私は、娘が風邪ひいたりインフルエンザになったときなどに家でマスクをするので、常にマスクは常備してました。

 

それがたまたま新型コロナウィルスの際に役立ったわけですが、、、

 

マスクってマスク文化でない国ではオンラインでないとなかなか見かけません。稀にウォルマートで20枚6ドルのマスクが売ってますが、数が少なくあっという間になくなりました。需要が高まったことと供給が追い付かなかったこともあって、一時期アマゾンで使い捨てマスクが1枚5ドルくらいの価格になったりしてました。

 

その後、アマゾンが高額でマスク販売をするのを禁止、フェイスブック広告もマスクの宣伝は禁止になったりして今は妥当な値段で買えますが、あちこちのサイトで販売してるのもあり(中国製ですが)、日本と違っていろんな種類のマスクを見ます。

たぶん今後、こんなにいろんなマスクをつけてる人たちを見ることはないでしょうね…。

 

マスクの種類がすごい

マスクといえば、使い捨て。あまりにも身近な存在なので、日本人にとってはマスクは安価で買える使い捨てのマスクですよね。

 

しかも『白』。

 

私の日本の友人の話では学校に白以外のマスクをしていった学生が『白いマスクにしなさい』と怒られたとのこと。

 

これを聞いて


ハァ??

 

って思ってしまいました。そんなことにこだわってるから日本って息苦しいんですよ。命を守れるなら何色でもどんな柄でもよくないですか?

 

少なくとも、白でないと効果がないという理由じゃなきゃ白にしろ、と怒られる意味がわかりません。

 

アメリカではいろんなマスクが使われています。効果がありそうなもので選ぶ人もいれば、ないよりましととりあえず手に入るものを選ぶ人も。『布でもよい』と言われているので、布をまいてるだけの人もいます。

 

 

下の画像の中で上の二つが医療関係者用のもの。0.3マイクロメートルの粒子を95%以上除去するというN95マスクです。

 


 

 

こういう人も、いますね。ホントに、ないよりマシ、ということでしょうか。


 

 

このNYTIMESの記事で『どのマスクを着用するのがいいのか』紹介されてますが、面白いのは、マスクの内側にコーヒーフィルター(もしくはキッチンペーパー)を入れたものがあること。

 


テスト結果によると、0.3マイクロメートルの粒子を23~33%カットできる効果があったのだとか。

手作りマスクでここまでする人がどのくらいいるかはともかく、この発想からすると、基本的にはマスクは効果があってこそするものだという考えがあるんじゃないかと思います。

 

 

日本人は『効果がある』か疑う人もいますが、『とりあえずマスクはするもの』という感じで習慣でする人が結構多いんじゃないでしょうか。

 

マスクに対するハードルが高いアメリカ、かなり低い日本…。

 

なので、日本では商品ラベルを気にしても、どのくらいのレベルの粒子をどれだけカットするかを詳しく調べる人はあまりいないと思います。

 

 

もしも効果を考えてマスクを手作りするなら、このタイプのマスクも一つ作っておいてもいいかもですね。

 

 

マスクで稼ぐ

新型コロナウィルスの感染拡大に伴って、まず日本でマスクの買い占め&転売が始まりましたよね。その後、モラルのないこの行為に批判も起こり、買い占めも禁止、転売も禁止になりました。

 

アメリカでも買い占め&転売はやっぱり起こりました。アマゾンFBAやEbayビジネスを始め、Eコマースビジネスをしている人がとても多いので、みんなこういう機会を利用したいと思うのはハッキリ言って当然。

 

でも他人が困っている所に漬け込むビジネスはやっぱり気分が悪いです。とくに命がかかわっている事態なので、他人の命より自分の儲けという人がいること自体ムカムカしますね。

 

ハンドサニタイザーを17700個買い占めてアマゾンで高額転売したテネシー州の男性は、翌日にアマゾンからアカウント停止措置を受け、その後アマゾンでは価格の吊り上げが禁止になったので、異常に高かったマスクもなくなりました。eBayも続いて、マスクやハンドサニタイザーの販売を禁止。

 

そして転売ビジネスといえば、もちろんメルカリもあります。日本でマスク転売が禁止になった後も規制のなかったアメリカではハンドサニタイザーやトイレットペーパー、マスクが高額転売されてました。

 

その後メルカリが規制を設けたのでそれらの販売自体がなくなっていったんですが、そのマスクで稼いでいる人を発見しました。

 

 

マスク販売禁止のメルカリで違反なしでマスク販売

メルカリでマスク転売するのは禁止ですが、ハンドメイドのマスクを販売するのはアメリカでもOKです。

アメリカ人って意外と器用な人がたくさんいるんですよね。

さっそくハンドメイドのマスクが売られるようになったんですが、一人だけかなりたくさん売ってる人を見つけました。

 

高額ではもう売れないので1枚6ドル~14ドルくらいの間で売られている手作りマスク。4月の初め頃でしたが、飛ぶように売れるとまではいかない中、一人だけ毎日売っている人が…。

 

 

2週間くらいで取引40回以上…なぜその人のマスクだけそんなに売れるのか…

 

それは、他の人と違ってたくさんの種類の中から選択できるようにして販売していたから

でした。

 
多くの人が1枚、もしくは2枚いくら、とマスクを売っている中でその人は10種類以上の中から選んでね、1個8ドルだから、と売ってました。
 

それも男性用も女性用も混じっていたので、1回の買い物で家族分買うことができるように。

 

 


素晴らしい!

 

 

ちなみにその時期にウォルマートの生地コーナーから、99セントのはぎれ布が一斉に消えていたのを発見して『いつもこんなに売れないのにな…』と不思議に思ったんですが、みんなが一斉に手作り始めたからでした。

 

このはぎれ布、クラフトショップでも売ってますが、2倍くらいの値段。ウォルマートのはぎれ布は同じクオリティーで柄も多いのに安いんです。そのため私も新型コロナ以前からよく買っていました。

 

はぎれ布1枚で大人用マスク3個は作れます。ゴムの原価が50セントもしないので、マスク自体の原価は85セントくらい。送料別で1個8ドルで販売すれば利益は7ドル15セント

 

 
取引40回以上で1回で1個しか販売しなかったとしても利益は286ドル。2個ずつ販売していたら572ドルです。
 

 


マスク凄いわ…!

 

と驚いた瞬間でした。と、同時に販売方法が決め手だったなと勉強になりました。(私はマスク販売する予定はないですが)

 

同じ作業を繰り返すだけなので作る方もそんなに手間はないはず。

 

ところが、その後同じようにたくさんの種類を販売する人が現れました。

 

そのため、だんだんマスクのレベルも上がり、『フィルター入り』の手作りマスクを売る人も出てきました。さらにはぎれ布にはないような変わった柄のマスクが売れていたり、『何十年も裁縫してます』という技術面を売りにしたマスクも出てきて、そういった個性的なものが売れています。

 

ということで、マスクで稼いだ人は一部だと思いますが、スピードとアイデアが勝利の決め手だったようです。

 

よく考えると、ハンドサニタイザーで儲けようとした人もアメリカで感染者が爆発する前に一斉に購入していたので、やっぱりスピード感のある人は勝ちやすいなと思います。

まあアカウント停止で大赤字になってしまったのでリスクはありますが…。

 

手作りマスクは何枚必要?

基本的に使い捨てマスクは1日終わったら捨てますが、手作りマスクもやっぱり毎日洗わなくてはいけないんですよね。

もしかしてつけたり外したりすることがあるなら、もっと頻繁に洗う必要があるし、その点は結構大変です。

 

でも手洗いして消毒シュッシュと振りかければ使えるから慣れてしまえばそんなに気にならないかもしれません。

 

アメリカのあるサイトでは一人5枚はあった方がいいよ、とおススメしています。作れるなら1週間分あったらまとめて洗えて便利ですね。

 

 

ブランドマスクでマスクのイメージは変わる?

今までにない事態で、マスク不足を補うために普段はマスクなんて製造していない会社がマスク製造をしたりしていますが、パリのファッションウィークで見られたマッチングマスクも話題に。

でもこのマスクは新型コロナウィルスが広がる前に28歳のフランス人デザイナー、マリーン・セルによって既にデザインされてたマスク。物凄いタイミングで登場したので余計に注目されたようです。

 

 


 

これを見たらマスクってファッションにもなるんだ、、って感じがしますね確かに。

 

男性用も…。

 


 

 

マスクによって起きた思わぬ事態

外出禁止令がほとんどの州で出たことで犯罪件数は激減したそう。残念ながらDV件数は増えているようですが。。確かにDVの人と一緒に暮らしていたら、この外出禁止の時期は地獄です。

 

犯罪は減ったものの、反対に、みんながマスクをしていることを利用した犯罪も起きているのだとか。

今まではマスクをしていると銀行強盗か…って感じでしたが、今は市民がマスク着用してるので、マスクで顔を隠して盗みを犯す人間がいるそう。

ついでにマスク姿なので犯人も捕まえにくいとか…。

 

やっぱりマスク姿ってアメリカではちょっと異常事態なんですね。。。

 

今後アメリカ人はマスクをするようになるのか(考察)


新型コロナがなければ一生マスクすることなんてなかったというアメリカ人がほとんどかと思いますが、今している人も『大統領が言うくらいだから…』っていう理由が多いような気がします。

 

ただ、日本で普通に使用されてるような使い捨てマスクは医療従事者のもの、というイメージが強いので、市民が着用してるのは、それ以外のものが多いです。手作りマスクはもちろん、布を巻いただけの人もいたり…。

 

テキサス州は今シーズンインフルエンザの感染が広がって、始めはコロナよりインフルエンザのが怖い!って言われてましたが(今もインフルエンザと感染率はそんなに変わらないそうで)アメリカにいると実生活では正直インフルエンザよりずっと感染力が強い感があります。

 

 

でもこの先新型コロナウィルスが落ち着いて、来年のインフルエンザシーズンになってアメリカ人がマスクするかと言ったら、、、しないだろうな~。

 

マスクをするなんて息苦しいしダサい、効果も怪しい、というのが理由じゃないでしょうか。

 

それに、これはあくまで私の想像ですが、新型コロナウィルスで家族や友人を亡くした人はいっぱいいて、マスクはそれを思い出させるネガティブなイメージがついてしまってます。そんなマスクを気軽にしたいと思う人がいるとは思えない…。

 

 

私は日本にいるときは、すっぴんだから、という理由でマスクすることもよくありましたが、アメリカに住んでると不思議とマスクしてる方が違和感を感じます。

 

習慣と文化に慣れちゃったのかな。

 

でも自分や周りの人を救うことができるなら、将来アメリカでもマスクがしたいときにできるようになるといいなーと思ったりします。

 

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