【アメリカ】インフルエンザ予防接種を受けた子供がインフルエンザに…【医療費・処方薬はこうなる】

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今年は日本では10月末ごろから既に流行が始まってしまったというインフルエンザですが、アメリカでは11月後半の時点でアラバマ州、アーカンソー州、ジョージア州、ミシシッピ州、ネバダ州、サウスカロライナ州、そしてテキサス州の7州で流行しています。

インフルエンザの予防にはやはり予防接種が大事ですが、アメリカではこの予防接種がスーパー内の薬局などでも受けられるようになっています。予防接種の費用は0~50ドルくらい。日本では平均3000円ほどですので、予防接種のハードルは日本とそれほど変わらないのではないでしょうか。

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予防接種はどこで受けられる?

日本でインフルエンザの予防接種を受けようと思った場合、かかりつけ(または近所の)病院に行くかと思いますが、アメリカでは病院は日本の様に身近な存在ではありません。(医療費等)

 

とはいえ、予防接種を受けない人が多いとインフルエンザの大流行が懸念されます。

 

そこで、インフルエンザの予防接種が気軽にできるよう、WalgreenやCVSなどの大手薬局やWalmartやKrogerなどのスーパーの中にある薬局、またはコストコなどあちこちで受けられるようになっています。

 

 

 

会社員であれば、会社側から無料でFlu shotを受けさせてもらえるという場合もあり、それは本人だけでなく、家族も一緒に受けられる場合もあるのです。

 

そして、今年は筆者も子供とともに無料でインフルエンザ予防接種を受けてきました。

 

ちょっと特殊な例なのですが、市が提供するイベントの中で簡単な健康診断を無料で提供していて、その中にインフルエンザ予防接種も含まれていたというラッキーな例です。

 


 

ところが、インフルエンザの予防接種は受けていたら、安心というものではありません。

予防接種を受けていてもインフルエンザにかかってしまうことはあります。

そして今年は筆者の娘が予防接種を受けていたにも関わらず、インフルエンザにかかってしまいました。

今回はインフルエンザにかかったらどうなるのか、実例を紹介したいと思います。

 
すぐに診てもらえたらラッキー

アメリカの病院は基本的には予約制です。場所によってはウォークインを受け入れる場合もありますが、そういった病院を探す方が難しいでしょう。

 

そして、かかりつけの医者を持つのが一般的なため、同じ病院で電話予約することになり、病院によっては新規患者を受け入れていない場合もあります。

 

または入っている保険によっては取り扱いができない場合もあるため、新しく病院を探す場合は自分の入っている保険が適応されるのか、確認する必要もあります。

 

 

日本と比べるとハードルの高い、アメリカでの病院探し。やっと探してかかりつけの医師を見つけた、と思ってもいざ病気になってもウォークインでは診てもらえないのです。

 


それどころか、予約の電話をしても当日がいっぱいであれば翌日、さらに翌日も空いていなければ2日後、そして最悪な場合「来週の月曜なら空いてますよ」と言われる場合もあります。

 

病気なんだからすぐに診て欲しいのに来週と言われたら、それまでに手遅れになるか、もう完全に治ったわとなるか、どちらにしても病状はかなり変わってしまってるはず…。

 

 

ということで、筆者は子供の病気の兆候が見られたらなるべく早く予約をするようにしています。

特に子供は体が小さく、病気の進行も早いため、待っていられないケースが多いのです。

 


今回は週末に親戚の家に泊まりに行っていた娘が、熱が出て食欲が落ちた、少し吐いた、と聞き、帰宅後、夜中に急に高熱が出たため、朝病院が空いた時間にすぐに予約電話。すると運よく当日11時に空きがあるとのこと。

 

 

そういえばクラスメイトが風邪ひいてた…というのでもしかしてインフルエンザかも…でも予防接種も受けているし、風邪かな…と思いながら、実は他に心配していたことがありました。

 

それは「熱せん妄」…発熱に伴う異常行動が見られたことでした。

 

これは1~10歳台の子供に起こりやすく、眠っていたのに突然起きて叫んだり、走り回ったり、意味のわからないことを言ったりします。

 

熱せん妄は、高熱で大脳の温度が上がり大脳から「暑い!どうにかして!!」と SOS が出されます。すると SOS を受けた脳細胞からは、ノルアドレナリンやドーパミンなどの化学物質がどんどん放出されます。

この大量に放出される化学物質が複雑な神経症状を引き起こすと考えられています。
熱せん妄を起こしている時、頭は眠って夢を見ている状態なのに、筋肉の力は抜けず
身体は起きているような状態です。

(グレイス病院より)

 

娘は突然起きたかと思うと、壁のあちこちを目で追い、泣きながら「嫌だ!」と手を伸ばしていました。

 

その後も私にしがみついて意味不明なことを言うため、もしかして怖い夢を見たのか、幽霊がいるのが見えるのか、どちらかなと思い、事情を聞いてみました。

 

高熱が出ていたこともあり、脳に影響がないか気になって調べると、この熱せん妄であることがわかります。

 


 

そして病院へ。熱と咳が出る、という毎回似たような症状のため、毎回インフルエンザや咽頭炎の検査をするのですが、この口内と鼻孔の粘膜を取る検査が娘は大嫌い。

 

綿棒で少し奥の方に入れて掻き出すのですが、じっとしていれば大したことない検査でも看護師が上手でない場合や子供が動いてしまった場合は恐怖の検査となるのです。

 

 

病院にはキッズコーナーがあるので遊び感覚で楽しみに行っていた娘も、一度この検査で不快な体験をしてしまったため、病院と聞くだけで半泣きになります。

 

 

とはいえ、親側はコンサートのチケットを取るような勢いで予約を取っているため、病院にすぐに行けることがむしろありがたいのです。

 

 

そして病院で受付を済ませた後、フレンドリーなナースが迎えてくれます。

 

身長と体重を図ったあと、診察室に通され、ナースより簡単なチェックが行われます。

耳で熱を測ったりしたあと、症状を聞かれます。

 

そして「インフルエンザの検査しますが、良いですか?」と言った瞬間、娘の体がこわばり、今にも泣きだしそうに。

 

なんとか暴れることなく検査が終わり、結果を待つこと5分ほど。

 

「インフルエンザでした…」その後、今度は医師が診察室に入ってきて、今後の説明をしてくれます。

 

そこで、熱せん妄が見られたことを伝えたのです。

 

優しい先生はすぐに笑顔で答えてくれました。

「あぁせん妄ね、よくあるよ。わかった、じゃあ今後24時間はTylenol(アセトアミノフェン)とMortin(イブプロフェン)を4時間ごとに交互に飲ませて。熱が上がりすぎないよう気をつけましょう」

 

処方箋はタミフルではなく…
 

そして他に2種類の薬が処方されました。

インフルエンザの特効薬タミフルではありませんでした。

 

この時「タミフルって知ってる?」と医師に聞かれたのですが、『タミフルは即効性があるんだけど、肺炎の心配もあるから今回は使いません。それと予防接種してるから治りも早いはずよ。今の時点でも予防接種を受けていない子たちと比べると断然症状は軽いから』と言われました。

 

実際にアメリカでは今年に入ってインフルエンザのような症状で医者を訪れた患者たちの中で肺炎で亡くなった人もいるため、症状があまり重くない娘のケースでは必要ないと判断されたようです。

 

さらにタミフルは症状が出てから48時間以内でないと効果を発揮しないと言われています。

 

すでにそのピークである48時間は過ぎていたため、処方されたとしても効果を発揮しなかったのではないかと思います。

 

 

インフルエンザでは当然学校へは数日間はいけないため、ここで医師に「Medical Certificate」をお願いします。

 

これは学校を休む場合に必要になる医師からの診断書になり、『Certificate to return to school』として、何日間休みますよ、と書かれた紙に医師がサインをくれるのです。

こちらから頼まなくても聞いてくれる場合もあります。

 

アメリカの病院での診察料は加入している保険と病院にもよります。

筆者の加入保険では、数年前まで診察料(薬代別途)一律12ドルでした。

 

その後同じ病院で値上がりして20ドルとなりました。

 

ところが、病院を変わったところ、28ドルとなったため、やはりどこでも同じ額、とはいきません。

 
処方箋は病院の隣では受け取れない
 


 

アメリカの病院でめんどくさいと感じることは、予約以外にもあります。

それは薬の受け取りです。

 

日本であれば、病院の隣に薬局があり、そちらで受け取るのが普通ですが、アメリカでは、自分の希望する薬局(自宅近辺など)にデータを送信してもらい、そちらで受け取ります。

 

 

そのため、データのやり取りがうまくいかない、情報が間違っているなど手違いがある場合は、病院と薬局とのやり取りを待つか、または患者側が病院に連絡をして確認を取るなどしなくてはいけません。

 

 

とはいえ、手違いがあることは少ないのですが、薬局に行き、薬をもらってすぐ家に帰る、という行動を取りたいのにも関わらず、薬局で「まだ薬ができてないんですよね」と待たされるケースが少なくありません。

 

 

今回は「2時以降なら…」と言われて病院を出てから3時間後にわざわざ取りに戻ったにも関わらず、まだできていないと言われ、20分ほど待たされてしまったので、スタッフの手際の悪さに困ってしまいました。

 

ちなみにこの日の薬は11ドルと7ドル15セントで計20ドルほど。

 

薬は希望すれば追加料金2ドルほどでフレイバーをつけることができます。

 

スイカ、ライチ、バナナ、ストロベリー、グレープなど。シュガーフリーのフレイバーですが、このフレイバー付きの薬は、まるでお菓子かのようなものすごい甘い匂いと味がします。(味は娘談)

 

こんなに甘そうだと効果が心配になるところですが、子供は薬を自分から飲みたがるほどなので、これはこれで良いのかもしれません。(私は昔、錠剤を親が見ていない時にこっそり捨てていました)

 

医療費の合計は48ドルでした。2日後にfollow-up check-upがあるためこれでは終わりませんが…。

 

そして医師からのアドバイス通りに薬を服用させたところ、翌日にはなかったことのように元気に…

 

予防接種のおかげか…と安心していました。

 

ところが…。

 

以下に続きます↓

アメリカでインフルエンザにかかったら?タミフルを実費で払った値段が…!!【続き】

 

 

 

 

 

 

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