もはやラグジュアリーブランドではなくなっているマイケルコース。店舗数も年々減り、かつての勢いはなくなっています。日本でも一時期人気のあったブランドで私も好きでしたが、アメリカに来てからそうでもなくなってしまいました。ダサい、とさえ言われてしまうマイケルコースの人気が落ちた理由をみていきたいと思います。
マイケルコースとは

NY初のラグジュアリーブランド。ニューローク州立大学でファッションを学んだ(9カ月で退学)現在60歳のマイケル・コースが立ち上げたブランドで女性向けの服・バッグ・靴が主要製品。
サングラスや時計なども展開している。
マイケル・コース…
1981年にブルーミングデールズ、バーグドルフ・グッドマン、 ロード・アンド・テイラー 、ニーマン・マーカス、サックス・フィフス・アベニューの各百貨店で婦人服のラインを立ち上げた。その成功を受け、1997年にはセリーヌで初の婦人服デザイナー・クリエイティブディレクターに就任、2003年までの在任期間中に同社を世界的名門ブランドの一員へとのし上げた。
(引用:wikipedia)
2002年にはマイケル・コースのメンズウェアブランドも誕生。
マイケル・コースは米放送局Bravo制作の、エミー賞ノミネート作品シリーズ「プロジェクト・ランウェイ」の審査員としても活躍していたデザイナー。
数々のハリウッド女優やスーパーモデルたちに愛用されていたブランドで、知名度も抜群。
ジェニファー・ロペス、やミランダ・カー、ハイディ・クルムなどの人気者に愛されていたブランドのため、日本でも徐々に人気も知名度も上がっていったブランドです。
私もマイケル・コース、大好きでした。(…た!?)

実は渡米する前に、マイケルコースのSHOPで働いていた経験があり、その時に購入したいくつかのバッグは今も使っています。
マイケルコースの人気バッグの一つに有名なselmaというデザインがあります。四角いカチッとした形にサイド部分が飛び出たとてもシンプルながら存在感のあるデザインです。
これは持っているだけでプチプラの衣装でもラグジュアリーに見せるくらいかっこよかったんですよね。
マイケル・コースにはまった理由
マイケル・コースで働く機会があったことで、商品知識がつき、徐々にブランドへの愛着が湧いていきました。2012年~2014年くらいの頃、マイケルコースは売り上げを大きく伸ばしています。

statistaの統計によると、2012年の売り上げは13億ドル。翌年は21.8憶ドル、さらに翌年は33.1億ドル…と私が働いていたころは人気がどんどん上がっていった頃だったんですね。
これを見ると、2015年に渡米した際、私が

『もしかしてアメリカ人、全員マイケル・コース持ってんじゃないか…??』
と感じたのも無理はないかもしれません。
ここらへんでほぼピークの人気となっていたせいか、右も左もマイケルコース、あれもこれもマイケルコース状態だったのです。

まあ、アメリカのブランドだし、安いから買いやすいのもあるのかも。COACHみたいな存在なのかな…?
と思っていました。
そして私がマイケルコースが大好きになった理由は
・バッグのカラーが豊富に揃っている
・収納力(ポケットが多い)がすばらしい
・イメージが良い
・値段も安過ぎず高すぎずちょうどよい
・質が良い
ここら辺でした。
同じデザインでこれだけカラー展開しているラグジュアリーブランドはあまりないな、と感動したこと、サイズが大小あること、さらにポケットがたくさんついているので収納しやすいのもプラスでした。
そしていろんなファッションと組み合わせられるよう、ベルト付きで2ウェイになるバッグの種類もたくさんあります。
当時のスマホサイズに合わせたデザインの商品もあったり、手の届く価格なのにほとんどが牛革であること、セレブに愛用されている、広告のイメージがとてもかっこよかったこと、なども好きになった理由でした。

そして、数は少ないですが、時計が人気がありました。ピンクゴールドはかわいらしさと高級感を兼ね揃えていて、時計だけど高級なアクセサリーのような感じの存在だったのです。
私個人的にはあまり時計をつけるのは好きではなかったのですが、働いていた時に購入しなくてはいけなかったので、(仕方なく)購入した時計を結果的にとっても気に入っていたのを覚えています。
それはオレンジのレザーベルトと、ゴールドトーンのレクタンギュラーフェイスの時計で、
『エルメスっぽいな』
と思ったデザインでした。それも高級感を感じた理由だったかもしれないですね。
マイケルコースに何が…?人気が落ちた理由
日本での人気も知名度もぐんぐん上がり、アメリカでは右も左もマイケルコース!だったのですが。。。私は今はもうそんなに好きではなくなってしまいました。そして、2016年にはメディアにこう書かれてしまったのです。
『マイケルコースがもうクールじゃなくなった4つの理由』
これはbusiness insiderの記事ですが、同感することがあるのでここで4つの理由を見ていきたいと思います。
1.露出度が上がり過ぎた
2.アウトレット店がブラントの質を下げた
3.ティーンがブランドをステイタスとしなくなった
4.メイシーズ(などデパート)がブランドイメージを壊した
1.露出しすぎた
2015年のマイケルコースの全世界での店舗数は直営店が550店舗、モールやデパートなどに入る店舗数は1500店舗でした。人気が出れば需要も高まるし、そうなるとどんどん店舗が増えていきます。
ブランドが拡大する一方で、私が感じたように

誰でも持ってるな…
と感じる人は増えていきます。
マイケルコースは『ラグジュアリーブランド』のカテゴリーだったのですが、どこでも見かけると、もうラグジュアリーブランドではないのです。
これは『COACH』が抱えた問題と同じ。
確かにCOACHも『安っぽくなった』イメージは拭えません。
そうして2016年の売り上げのピークが過ぎると、2017年には、『2年くらいで店舗数を15%減らす』とアナウンスし、実際に2019年3月、店舗数は390店舗に。
メイシーズやJ.C.Penny、Searsなど大手デパートも店舗数を減らす今はネットの買い物が主流の時代。これからもっとネットで買う人が増えていくだろうし、リアルな店舗はそんなに必要でなくなっているのでしょうね。
2.アウトレット店がブラントの質を下げた
マイケルコースのアウトレット店は全米で結構そこらじゅうにあります。私も見に行ってみたことがありますが、このアウトレット店に行けば定価よりかなり安い60%とかそこから25%オフとか、、相当な安さで購入できます。一旦アウトレット店で購入してしまうと、正規店で買いたいという気持ちがなくなるものです。
ちなみにマイケルコースはアウトレット店舗はたくさんありますが、オンラインのアウトレット店はありません。
でも検索するとでてきますよ~。
気をつけてください。
このアウトレット店の存在が、ブランドの高級感を下げてしまったのです。
そりゃあそうですよね。
ルイヴィトンとかシャネルはアウトレット店ないですもんね。中古品なら売られていますが…。
※一時期カナダではマイケルコースの偽物が大量に出回ったそうです。
3.ティーンがブランドをステイタスとしなくなった
マイケルコースはどの世代にも人気のあるブランドでした。特に、ラグジュアリーブランドのカテゴリーにいながら、ちょっと頑張ればティーンでも手の届く値段。そのため、ギフトとしても人気があったのだとか。
でも今の時代、ティーンが『ブランドをステイタス』としてここにお金を使うことがなくなってきたようですね。
ティーンに人気が出ればSNSなんかですぐに流行って売り上げも上がると思うのですが、人気がなくなったとなると売り上げが下がってしまうのも当然です。
4.メイシーズ(などデパート)がブランドイメージを壊した

年末近くにある、ブラックフライデーになると、メイシーズなどデパートに入っているマイケルコースのバッグはディスカウントして販売されます。
初めて見た時は、『安くなってる!』と感動したものですが、正直品ぞろえはイマイチ、高級感なし、で買う気にはなりませんでした。
価格はデパートの戦略でコントロールされてしまうため、ブランド側はどうすることもできません。そして、雑誌や直営店で見かけるような『かっこいい』『おしゃれ』なイメージもデパートのイメージに塗り替えられて台無しになっています。
そして、デパートがディスカウントして安売りをすることで、マイケルコースの売り上げも下がってしまうのです。これと同様のことが起きてデパートにある店舗を25%減らしたCOACHですが、マイケルコースは1店舗も撤退しなかったのだとか。
でも

いつでもどこかのお店で安くなってるわ…!
となると、やっぱりラグジュアリーブランドではないですもんね。。。
マイケルコースが好きじゃなくなったリアルな理由
ここまでみてきて、マイケルコースがアメリカでもはや人気ブランドではなくなっていることは残念ながら本当のようですが、私の熱が冷めてしまったことは他にもあったのです。実は、前からちょっと思っていたのですが、

商品が重いの!
です。。。
特にバッグ類は大きな金具がついていたり、厚手で丈夫なことは確かなのですが、毎日使うと
毎日使わなければいいのですが、たまに使っても肩や腕が痛くなってしまいます。
おかげで鍛えられましたが。。。。苦笑
そして

時計も重いの!
これは初めて買った時計ではなく、次にアメリカで購入したピンクゴールドの時計でした。

これに似たデザインのもので、購入当時はとても嬉しくてテンションが上がったのですが、
実際、使う機会がなく、1年ぶりにつけてみたところ…(苦笑)
半日くらいつけていたら、
ものすごく手首が疲れて痛くなっていた
ので、これは大変だ、、、と結局今も箱に眠っています。(使わないうちに電池も切れました笑)
バッグも時計もデザインは好きなのですが、、、、
これで安くてどこでも手に入る、、というイメージになってしまったら、心が離れてしまうのも無理はないのかなと今は思います。
ただ、そんなに好きではなくなったといってもいくつかはキープしているし、気に入ったデザインがあれば今後も買うかもしれません。
まとめ
数年前にはピークに人気があったマイケルコースで、私も好きでいくつか持っていますが、ここまで安っぽくなってしまうと、もうブランドだけでなく商品への魅力が薄れてしまうというのが正直なところです。私のようにかつてのファンがどんどん離れて行ってしまっているように見えるマイケルコースですが、今後はオンラインショッピングがもっと主流になり、このブランドに限らず他のブランドも実店舗の売り上げは苦戦することになるのかもしれないですね。
時代の移り変わりに対応できる企業や個人が、今後生き残っていけるのでしょう。
コメント