アメリカはチップの国ですが、日本人には馴染みのない制度のため、どこでチップを渡すべきか困ることが時々あります。また、チップの相場もそれぞれあるため、ある程度知っておかないと恥をかくことにもなりかねません。今回はアパートのメンテナンスにチップは必要?ということで経験談を、また、アパート側が合法的に入居者の部屋に入れるケースも紹介します。
部屋の設備が壊れたら…

日本の賃貸アパートなどでは、初期設備(借りた時についていた設備)が壊れた時はすぐに大家さんか管理会社に連絡することになっています。
アメリカの場合はアパートが契約するメンテナンススタッフが数名いるため、何かあればリーシングオフィス(アパート建物内のどこかにあります)に出向くなりすれば対応してくれます。
このメンテナンスの速さが入居者の満足度に繋がり、もしもメンテナンスがなかなか来ない、来たけど直ってないなどがあると、すぐさまレビューに書かれたりするのでアパート側もメンテナンスの応対に気をつけているところもあります。(放置もあるようですが…)
私が初めて入居したアパートはメンテナンスが必要なところだらけでした。
これは自分も予想外だったため、「何かあればメンテナンスに連絡を」という言葉通り、すぐに連絡して修理などに来てもらっていました。
その時は

これ、チップって払うべきなの?
「アパートの設備が私が壊してないのに壊れていたから直してくれるのは当然」
と思っていたこともありますが、アパート内の知り合いに聞いても「いらないわよ」と言われたためです。
当然お礼は言いますが、その他はジュースか水いらないか尋ねるくらいで終わり。毎回「大丈夫」と言われるため、それで終了していたのですが…
必要以上の仕事をしてくれたスタッフにチップを渡してみると…

新築アパートに引っ越し、初めてメンテナンスに連絡したのは初日。

なんか水道の水がめっちゃ臭いんですけど…
鼻がもげそうなほど水道の水が異臭を放っていたためでした。
新築で先に誰も入居者がいなかったこと、しばらく流しっぱなしにしておけば直るだろう、ということをオフィスマネジャーから言われたのですが、何かしら心当たりがあったようで、メンテナンスを送り込んでくれました。
ただ、その時は私は不在。
そのため、勝手に入っていたメンテナンスから「直しておいたよ」のメッセージを発見。
まだ完全に引っ越ししていなかったので入ってこられても困ることはなく、逆に素早い対応に感謝でした。
そして数日後に再びメンテナンスを呼ぶことになったのは、本来ならメンテナンスの仕事外の内容でした。
それは、

洗濯機と乾燥機を取り付けるコードをオフィスマネジャーおすすめのものを購入してきたのですが、はまりません。どれを使ったらいいのか、何かアパートのものを破損すると困るので来てもらえませんか。
という内容。
洗濯機、乾燥機をつなぐコードのタイプを事前にマネージャーに確認しておいたのですが、それが実際には適合しなかったので問い合わせたのです。

でも洗濯機、乾燥機は各入居者が持ち込むものであり、所有者でないアパート側は触ってはいけないことになっています。
依頼後、すぐに来てくれたメンテナンスの男性。コンセントの形がプラグの形とあってなかっただけで、たまたま以前のコードを持っていた私に、「これでいけるよ」と答えて終了しかけたのですが…

これって…どうやって繋ぐやつですかね~?わかれば教えてもらえますか?
よく見ると乾燥機の裏側の金具を取り外して繋ぐ必要があり、若干怖い感じだったのです。
変なふうにつないで万が一火災とかになったら…
とビビッていた私が聞けるとこまで聞いとこうと思ってした質問だったのですが、

う~ん、ホントは入居者の所持品に触っちゃいけないことになってるからお手伝いできないんだけど…。でもついでだから見てみるね。
と言って確認してくれました。
ところが、彼にもよくわからなかったようで、
結局二人でYouTubeを見て確認(笑)

二人で、というかメンテナンススタッフがわざわざYouTubeで確認しながら私に指示をしてくれたのでした。
「入居者の所持品に触ってはいけない」ルールのため、作業するのは私。
でも

じゃあ、あとはYouTubeみてがんばってください。
とは言わず、取付完了まで確認してくれたのでした。
正直とても申し訳ない気持ちでいっぱいになっていたため

これはチップをあげるべきだよね
とたまたま現金を持っていたため、チップを渡すことに。
金額は確か20ドル。(払いすぎ)
メンテナンスのお兄さんは「え?いらないのに…」とびっくりしていました。
「あなたのお仕事じゃないですよね、手伝ってもらって助かったので…」
と渡すとありがとう!と去っていきましたが…
たぶんチップをもらって逆に怖かったかもしれません。
だいたいこういうとき、もしもチップを渡すのであれば、10ドル程度なのだとか。
予想外に20ドルももらって、「もしかしてオレに気があるのか…?(イケメンだったw)」と思って怖くなった(笑)かもしれません。
私はというと、10ドルがあれば10ドル渡していましたが20ドル札しかなく…。それでもメンテナンススタッフとはいえ、ここまで親切にしてくれる人も珍しいのでお礼をしたかっただけでした。
また、アパートのスタッフと仲良くしておいた方が何かと印象も良くなるかと思うのでそういう意味でも必要以上のサービスには払うべきではないかと思っています。
(メンテナンススタッフはマネジメント会社の雇用ですが、やはり直接関わる人たちなので、印象が良い方がよいと思っています)
ちなみにチップは心づけなので、この場合、絶対払わなくてはいけないことは全くありません。
むしろ、あるサイトによると、アメリカ人の中には

アパートのメンテナンススタッフなんてチップ払わないよ!
という人が8割ほどだそう。
若い人の方が払う傾向にあるのだとか。
といっても、お礼の気持ちを表すという意味では、それにふさわしいサービスと感じたら払った方がお互いに気持ち良いのではないかと私は思っています。
ちなみにこのrent.comによると、
ものすごく散らかっていたり大変なメンテをしてくれたり、夜中やホリデー中など勤務時間外に来てくれた、必要以上のサービスをしてくれた、本来なら他で頼むべきサービスをしてくれた、などの場合はチップをあげた方がいいかもよ?とアドバイスしています。
※余談ですが、プロの電気屋さんや水道屋さんなど、チップを払う方が失礼にあたるケースもあるそうです。医者にチップを渡さないように、プロとして良い給料を得ている人たちのプライドを傷つけることになるのだとか。
ケーブル設置スタッフなど、会社側からチップを受け取ってはいけないとされている職業もあります。(それと引き換えにこっそり追加サービスをお願いする賄賂を避けるため)
でも私を助けてくれたメンテナンススタッフのように親切な人ばかりでないことも確か。

初めてのアパートの時のメンテナンススタッフの中には挨拶もしない不愛想な人もいましたし、口コミで「メンテナンスが勝手に入ってきて、その後DVDとか現金がなくなってたわ!怒」なんていう怖い投稿を見たこともあります。
最悪盗難にあってしまったら、加入しているrenter’s insuranceから保障されます。
アパート側は頻繁に入居者宅に入ってこれる

アメリカのアパートでは日本よりももっと多くのケースで合法的にアパート側の人(この場合メンテナンススタッフやオフィスマネジャー等)が勝手に部屋に入ってこれます。
日本のアパートの場合は、緊急時のみに入ることができ、それ以外は法律では認められていないようですが、アメリカの場合は合法的に入ってこれるのは
・入居者にメンテナンスを依頼された場合
・法律上設置しなければならないものがある場合
・アパート側が部屋の設備向上のため取り付けるものがある場合
・現入居者の退去後の入居希望者が部屋を見学する時
・入居者による健康や安全面での違反行為があった場合
・裁判所から許可があった場合
・退去勧告通知を出したとき
・入居者が部屋を放棄したとき(長期間いなくなる・期間は州により異なる)

そんなに!?怖いじゃん…
上記の場合でも24時間前までには入居者に連絡しなくてはいけません。もしも心配なら見られたくないものや貴重品などはわからない場所に置くなどしておくと良いかもしれません。
私の友人は、ストレージを他に借りていて、貴重品などはそちらに保管しているとか。
また、通常のアパートのオフィス営業時間(だいたい9時~18時)内のみにしか入れない決まりもあります。
ただ、真冬にエアコンが壊れた、水道管破裂、など緊急時には入居者の承諾があれば入ることができます。
まとめ
アパートのメンテナンススタッフには基本的にチップを払う必要はないけれど、時間外や必要以上のサービスなどを受けた場合は、感謝の気持ちとして10ドルくらい渡しておくのが良いと思います。
コメント