アメリカの学校は日本と比べると『自由度』がかなり高いです。それは学校のルールや行事がユニークであるせいもあると思います。そんなユニークな行事の一つに『100 days of school』という学校通学100日目のお祝いをする日があります。一体なぜ100日目でお祝い?子供たちは何をするの?とても面白いイベントなのでこの日について紹介します。
100days of school って何

このイベントは、学校が始まってから100日目をお祝いするというプリスクール~小学校でのイベントで、10年くらい前からメジャーになってきたものです。
この日は先生も生徒も、『100』という数字にこだわり、100日をお祝いするためにいろんなアイデアを出しあいます。
一番メジャーなのは『100』と書かれた、または100個の何かがついた『100日Tシャツを着て学校に行く』というもので、これは娘の学校でも行われていました。

ただ、100 days of schoolに馴染みのなかった私、そんなに大した日じゃないだろう、と思っていました。
すると前日に娘が『明日100日Tシャツを着てくんだよ』と言うので「え!100日Tシャツとかないんだけど…」と困っていた時、先生からの連絡で『何かを貼ったり縫い付けたりしてユニークなシャツで来てくださいね』というのを発見。
そうして夜中にあたふたと100日のワッペンを作ったのでした。
なぜ100日でお祝いするの?

日本人は学校100日目でお祝いする習慣がないので、初めてアメリカの学校でこれを体験するときまず思うのは『なんで100日目でお祝いするの?』ということではないでしょうか。
法律ではだいたいどの州も年間180日学校に通わなくてはいけません。あと80日あるのになんで100日目でお祝いなの?と戸惑った私は『100日と言ったって大したお祝いしないでしょ』と始めは思ったのです。
でもすぐに、この日のお祝いはアメリカらしくかなり派手に行うことを知ります。生徒が参加するのもTシャツとは限りません。
ちなみに、アメリカではプリスクールやキンダーの始まる年齢はそれぞれの州で違います。そしてスクール開始月はほとんどが8月ですが、7月や9月というところもあります。
そのため、この『100日』は娘の学校では1月下旬でしたが、多くの学校は2月のバレンタインくらいの時期となるそうです。
州をまたいで引っ越しすると、学校の開始年齢に戸惑うこともあります。アメリカ全州のキンダーの始まる年齢をリストにしたので、良かったらこちらをご参考ください。

アメリカ人の教師が説明する、100日目でお祝いする理由はこちらです。
1.生徒と先生にとって節目となるから
2.100までを数える練習する機会になるから
3.100を使った数式を考える機会になるから
4.楽しいから
生徒と先生にとって節目となる

まだ1年の授業が終わっていないといっても、100日も頑張って学んできたことは特にプリスクールやキンダーなど、初めて学校に通い始めた小さな子供たちにとって本当に凄いことです。毎日いろんな準備をしている先生にとってもこの日は節目の日となります。
先生は、これまでの学びを振り返り、そしてこれから残りの日々に学んでいくことについて生徒に説明をします。また、生徒に、今のところ一番好きな授業やアクティビティは何かと尋ねたりします。

ちなみに娘はmusicとrecessだと言っていました。recessは休憩時間ですが、子供たちにとっては遊び時間。お友達と遊んだりお菓子を食べたり、お話したりする時間はやっぱり大好きなようです。
そして初日に立てた1年の目標をどこまで達成できているか振り返り、今後について話し合ったりします。
100までを数える練習をする機会になる

5歳の終わりくらいには100まで数えられる子がほとんどかと思いますが、プリスクールやキンダーの年齢なら、この日は100まで数える練習をするのにとても良い機会です。
いろんなものを使って数を数えられるのも楽しいところ。
友達が着ているオリジナルTシャツについた100個の目玉やボンボンを数えたり、100個集めたボタンやクレヨン、コインなんかを数えたりします。

いつもよりも目新しいものがあると子供のテンションは上がります。
そんな風に楽しい空気の中で数を覚える勉強ができるのは子供にとってとてもメリットがあります。
100を使った数式を考える機会になるから
pinterest
学校100日目をお祝いするのはプリスクールとキンダー~小学生くらいまで。100個のアイテムを数えるだけじゃなく、足したり引いたり掛けたり割ったり、いろんな数式を考えることができます。
100は区切りが良いので、そういう数式を考えるのには最適な数字なのかもしれないですね。
普段計算が苦手、という子供たちが数字や計算を学ぶのにこの日は良いモチベーションになるのかもしれません。
楽しいから

やっぱりこれが子供達には一番、そしてアメリカの学校はこういう『遊び心』を大切にしているような感じを受けます。
前回の記事に書いた、アメリカにある『学校にパジャマを着て行っていい日』という『パジャマデー』もその一つですが、これが大人にも存在するというからさすがです。
このパジャマデーの日はこちらで紹介しています。
楽しい!という経験を作れば子供たちは学ぶことにもっと興味が湧きますよね。
苦手な数字でも、大好きなお菓子を数えるとなったら話は別。クラスメイトの着るクレイジーなTシャツや、みんなで集めた100個の消しゴム、カラフルなペンやクリップのおかげで、勉強していると感じないまま学ぶことができるんですね。
こういう日をところどころ挟んでいるのがいいな~と思います。
100日の日、学校では何をしているの?

娘の通う学校に行くと、この日は外に大きな『100 days of school』の看板がありました。そして、学校から帰ってきた娘は、袋いっぱいに入ったお菓子を持っています。
この学校の例だと、キンダーの授業では、いろんな種類のお菓子を100個ずつ入れて数えたあと、『お家の人にあげてね』と生徒に分けてくれました。
さらに、10個ずつ絵や記号を描いた紙きれを貼ってペーパーハットを作っていました。

そして『100』繋がりで『100歳』に見えるような恰好をするのは小学生たち。髪の毛を白く染めたり、眼鏡をかけたり、中には白髪にした髪にカーラーを巻き付けたまま1日過ごすという超インパクトのある容姿の生徒たちもいたり。
男の子は杖を持って歩いたり、おじいさん風のちょっと時代遅れなシャツとズボンを着ていたり、髭をつけていたり…と本当に『結構なんでもアリ』な様子。
ハロウィンクラスの仮装大会になっているような感じもあり、生徒たちはとても楽しそう。
そんな風に100にまつわる授業が終わり、クラスメイトと記念撮影して終わりました。
ちなみに、学校や学年にもよりますが
『100個何かを集めてきてください』といわれる場合もあります。
この時は文房具を始め、コインやボタン、ヘアピンなどカラフルなものを集めて学校に持っていきます。
これは100個の釘にゴムをかけていくアクティビティのよう。

そして100個のバルーンで遊ぶ学校も。これは楽しそう!

まとめ
アメリカの幼稚園や小学校では通学100日目を祝う『100 days of school』がありますが、これは生徒と先生の節目となる100日を祝うと同時に、100というキリのいい数字を使って生徒が興味を持つような学習方法で数字を学ぶ良い機会であることがわかりました。また、学校にいろんなものを持って行って良かったり、おかしなTシャツを着ていっても良いというアメリカらしいイベントは、生徒たちの発想力を豊かにさせるのではないでしょうか。
来年の100daysはもっと工夫をしようと思います。
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