日本の花粉症のようなものはアメリカにはないと思っていませんか?私は花粉症が流行るよりずっと前、30年くらい前からすでにひどい花粉症でした。ところが、30代に行ったハリ治療でピッタリなくなっていました。それがアメリカに来てから今までにないほどひどい花粉症にかかるのです。病気か埃か…死ぬかと思ったくらいひどい症状の原因とアメリカの花粉症の現状についてデータと体験談をもとに説明していきます。
アメリカにはどんな花粉があるのか
よく、『日本はスギ花粉、アメリカはブタクサ花粉』と言われるようですが、私はブタクサ花粉症ではありません。アメリカは広く場所によって花粉の種類はいろいろです。また、カビの胞子によるアレルギーなど、花粉症のような症状の原因は様々。空気清浄機を販売する会社『Air Tamer』によると、アメリカ国内で花粉症を引き起こす主な花粉は下記のようなものがあります。
※赤字は特にメジャーなもの
草の花粉
- Orchard(カモガヤ)
- Sweet Vernal(ハルガヤ)
- Timothy(オオアワガエリ)
- Bermuda(ギョウギシバ)
- Rye(ホソムギ)
- Kentucky Bluegrass(ナガハグサ)
- Johnson(セイバンモロコシ)
- Redtop and more(コヌカグサ他)
- Ragweed(ブタクサ)
木の花粉
- Oak(オーク)
- Birch(カバノキ)
- Cedar(シーダー)
- Willow(ヤナギ)
- Ash(セイヨウトネリコ)
- Aspen(ポプラ)
- Cottonwood(セイヨウハコヤナギ)
- Mulberry(クワ)
- Beech(ブナノキ)
- Elm(ニレ)
その他の花粉
- Sagebrush(ヤマヨモギ)
- Tumbleweed(タンブルウィード)
- Pigweed(アカザ)
- Burning Bush(ニシキギ)
- Cocklebur(オナモミ)
- Russian Thistle(タンブルウィード)
- Lamb’s Quarter(シロザ)
- Mugwort And More.(オオヨモギ他)
アレルギー症状を引き起こすのは花粉以外に、ペット(アメリカに多い犬や猫など)埃、ダニ、カビなどもあるため、アレルギー体質の人は1年中何かしらのアレルギーにかかる可能性もあるのです。
ハッキリ言って、日本にいたときと『別のタイプのアレルギー』になるだけで、アレルギーに悩まされなくなるなんてことはないです。
アメリカ人はどのくらいの人がアレルギー持ちか

1953年発足のAAFA(Asthma and Allergy Foundation of America)というぜんそくやアレルギーの人のための情報を発信するNPO法人がありますが、ここが毎年春になると、その年の季節のアレルギーに関して、『どの州がひどいか』ランキングにして発表してくれます。
ちなみに去年2019年のワーストランキングは以下。(※今年は現時点ではまだ出ていません)
- McAllen, Texas
- Jackson, Mississippi
- Providence, Rhode Island
- Memphis, Tennessee
- Springfield, Massachusetts
- Louisville, Kentucky
- New Orleans, Louisiana
- Scranton, Pennsylvania
- Baton Rouge, Louisiana
- Richmond, Virginia
私の住むテキサス州は『ここに来るとアレルギーになる』と有名な州です。だいたい、数年住んでるとアレルギー物質が体内に溜まってくるのか、発症したりします。
ちなみにテキサス州で多いのはOak(オーク)、Ragweed(ブタクサ)、Cedar(シーダー)。
私はアレルギー体質だったものの花粉症を日本で克服してから6~7年経っていて渡米後2年くらい平気でした。ところが、ついに発症したのです。そしてその症状は過去最悪でした。
AAFAの調査によるとアメリカ人で「アレルギー性鼻炎」の人の数は5000万人以上。その半数が『季節性のアレルギー性鼻炎(花粉症)』です。
つまりアメリカでも花粉症の人の数は2500万人いるのです。
そして、上記のデータでもわかるように、一年中アレルギーとなりうる花粉は飛んでいるし、他の原因もあるため、アレルギーが今でていなくても突然発症する可能性は大いにあります。
花粉症を克服した私が再度発症したときの症状
花粉症先取りしていた私の学生時代
私は十代から花粉症でした。当時は周りに花粉症の人もおらず、花粉症という言葉も浸透していませんでした。
授業中、テスト中、容赦なく出る鼻水をこっそり拭うため大きなタオルを用意しなければいけませんでした。誰とも悩みを共有できないので、ただただ恥ずかしかったのを覚えています。
その後花粉症が大流行したことで、『私も!』『俺も!』と仲間が増えていき、花粉症であることが気にならなくなっていました。

症状はひどいけど季節がすぎれば収まるし。みんなも悩んでるし。
効かない薬でなんとか乗り切っていたのですが、30代の時知り合いから『針がめっちゃ効くよ』という情報を得たので、試してみることに。
針体験は初めてでした。ただ、その針の先生が名古屋でとても有名な人で、芸能人もこっそり来ている(大御所でした)ということで、体験してみたのです。
すると、2、3回行った時点で明らかに症状が軽くなりました。
そしてその後も10回も行かないうちに症状は消えていたのです。

針すごいわ!!
何年もひどい症状に悩まされていたのがウソのようにアッサリとなくなったのです。
翌年、少し症状が出たため、すぐに針に数回通うと、そこから全く症状がでなくなりました。
たまたま私に合っていたのかも、先生が良かっただけなのかもしれませんが、とにかくそこからピッタリと症状が出ていなかったのです。
アメリカで花粉症にかかったことに気づかなかった自分
アメリカに来てから、2年ほど、アレルギーとは無縁でした。そのため、始めはテキサス州がアレルギーじゃなかった人も発症する州であると有名なことも全く知らなかったのです。
ところが3年目になると冬に風邪のような症状が出始めました。
当時私はYouTubeで初めて月収100万円を超えた時期を過ぎたところ。
『月収を落としたくない』一心で、睡眠3~4時間で死ぬほど働いていました。
私の一日は、よくわからない真夜中に起きてYouTube作業、朝に娘の弁当を作り、準備して車で20分の学校に送る、帰ってからバイトまでの間YouTube作業、車で20分のバイト先に行き、バイト。
バイト後、娘の迎えに学校まで直行。その後娘を遊びに連れて行き、夕食、片付け、お風呂、寝かしつけ、そして限界まで仕事。
まあいつか体を壊すな、と思っていたので、体調不良も想定内でした。
ところが今回はくしゃみ、鼻水、頭痛、めまい、寒気、などに加え、咳が出始め、その咳がだんだんひどくなっていったのです。

とうとう深刻な病気にかかってしまったかもしれない。。。
こんなおかしな生活を数年送っていたため、息切れ、めまい、手足の震え、心臓のバクバク、は過去に経験済みです。でも病院に行けなかった私はひたすら耐えたのです。
病院に行けなかった理由は、やはりアメリカの医療制度。この記事は実際に病院での請求額体験です。⇩
今思えばこれは季節性アレルギー鼻炎。でも花粉症で咳が出た経験のない私はそれが花粉症であるとは思いもせず、『不規則すぎる生活による何かしらの病気』と思っていたのです。
しかも毎日息つく間もないくらい忙しく、OTC(市販)の薬を調べる時間さえありませんでした。
すると、ほどなくして娘まで咳が出始めます。
私の風邪みたいなのが移っちゃったかも!と思い、病院に連れて行くと『アレルギーだろう』とのこと。そこでは『テキサスはいろんな花粉が飛んでるから』と薬をもらったのみでした。アレルギーテストは別の病院だったため行いませんでしたが、薬によって娘の症状は和らいでいきました。
この時も、『娘はアレルギー、私はよくわからん病気』と思っていたのですが、娘のアレルギーを防ごうと空気清浄機を買い替え、部屋を乾燥させないよう加湿器を使用すると…。
2か月ほど続いた私たちの咳はついに収まったのでした。
そして翌年…。
また咳が始まったのです。この時は『きっと今住んでいるアパートが古いからだ。引っ越そう』と新築アパートに引っ越しましたが、咳は続いたのです。
私の症状は、
目のかゆみ…なし(ごくたまに充血)
鼻水…出るが少なめ
くしゃみ…そんなに出ない
咳…とにかく死ぬほど出る
ということで、一日中ひどい咳がつづくという悪夢の症状でした。その咳も、始めはかわいい咳だったのですが、だんだん痰が絡むようになり、その後回数が増えていき、そして『オエッ』となるまで出るようになっていきました。
『オエッ』の段階まで来ると、胸がとても苦しくなります。キューっと締め付けられたような感じです。こうなると、集中力は低下、不快感倍増、食欲減退、、、となっていきます。

死ぬかもしれない…
と本気で思った私は、ついにアメリカ人の友人に相談し、教えてもらった『保険なしでも医療費が安い』病院に行ったのです。
『気管支炎ですね。アレルギーでしょう。いろんなものが飛んでますから』
と薬を処方され、10日ほどで咳はほとんどでなくなっていったのでした。
こうなる前にさっさとOTCの薬を試すべきでしたが、やっぱり、『咳』という症状のためアレルギーじゃないと思い込んでいたのです。
死ぬほどひどい咳を引き起こす花粉症の原因は何なのか
アメリカに住んでいる人は、薬局に並ぶ市販のアレルギーの薬を試したことがある人が多いと思います。私のように、アレルギーと思わず薬を飲まないと、症状は上記のような感じで悪化していきます。当然さっさと原因を調べ、薬局の人におすすめを聞いて市販薬を試してみるのが一番。
私は、何もしなくても時期がくれば治ったこと、病院での診断から花粉症と確定したものの、何の花粉かはわかりませんでした。ところが、ニュースを見て確信。
冬の時期ダラスの南部から、すさまじい勢いで空気中に飛び散っているのは
『Cedar』
この『シーダー』は日本語で『スギ』と訳されています。

てことは、日本にしかないと言われるスギ花粉症はアメリカにもあるってこと??
ただ『スギ』と名のつくものにもいろんな種類があるとのこと。日本のスギとアメリカのCedarは種類が違います。
これは去年のシーダー飛散の様子を撮影したものです。こんな風に12月から2月になると一斉にシーダー花粉が飛びます。
Fox7が報道した今年の花粉の飛散を撮影した動画は、今口コミでとても話題になっています。
ちなみに日本のスギとアメリカのスギの違いはこれ

ほぼ同じに見えるんですが…。
1月上旬、雨が上がった翌日などに大量に飛び始めたシーダー花粉。これが毎年この時期に猛威を振るい、特に今年2020年は観測史上4番目に多い飛散量なのだそう。
私のアレルギーが始まったのは、まさしくこのCedarが大量に飛び始めた時期でした。
ちなみにブタクサの花粉症が始まるのは夏から秋にかけてです。8月から11月くらいまでの時期にかかります。
私は幸いブタクサ花粉は今のところ大丈夫ですが、もしもブタクサとシーダー花粉の両方に反応するとしたら…
12月~2月(シーダー花粉)、8月~10月(ブタクサ花粉)と年の半分は花粉症の症状に悩まされることになってしまうんですね。
これは恐ろしいです。
全米で花粉の状況が一目でわかるサイト
こうなると、アレルギーが出やすい人は、花粉症があまり出ない州に引っ越したい、とさえ思いますよね。(私も住みやすさ全米No1になった場所に住んでいるのにそう思ったりします)花粉の時期は、今だけでなく年中通してあります。
そこで、現在の花粉がどんな状況なのか知りたいという方にお勧めのサイトがこの
『Pollen.com』というサイトです。

全米の今日の花粉の飛散量が一目でわかります。自分の州の今日の花粉、明日の花粉などもわかるようになっていてとても便利です。
さらに、今日のワースト都市、ベスト都市までわかります。
ちなみに今日のベストは
- Cleveland, OH
- Traverse City, MI
- Toledo, OH
- Rochester, NY
- Providence, RI
- New Orleans, LA
- Abilene, TX
- Laredo, TX
- Lake Charles, LA
- Dallas, TX
アレルギー性鼻炎になっているという方はこのサイトをチェックしてみてください。かなり参考になります。
花粉症の対策方法は

毎年やってくる花粉症。この花粉症を乗り切る方法はあるんでしょうか。
アメリカの医師によると、アレルギーへの対処法は3つ
1.アレルゲンを避ける
2.市販の薬を飲む
3.予防接種を受ける
食べ物のアレルギーと違い、花粉は空気中に飛散しているため、避けるのはまず無理です。
そこで、できるだけ外出を避けたり、花粉のつきにくい服を着る、帰宅したら服をはたいて中に入る、空気清浄機を使う、などの対策をします。
市販の薬はいろんな種類があるため、症状を話して薬局の人におすすめを聞くのが良いと思います。ただ、薬を飲むのは症状が出る2週間くらい前が良いそう。
そこから飲み続けて、アレルギーシーズンが終わったら薬もやめる、というのが医師のアドバイスです。
予防接種は受けたことがありませんが、これで症状の緩和につながることもあるようです。
まとめ
アメリカにもアレルギー性鼻炎はあるのか…花粉症はアメリカで患者数が2500万人いるとてもメジャーな病気です。スギ花粉は日本にしかない…スギにこだわるのなら、スギと言われるシーダー花粉の花粉症は一部の地域で非常にメジャーになってます。でもこのスギがなくなったからといって、アメリカでは他に花粉症の原因となる花粉がたくさん飛んでいるのでアレルギーがなくなるわけではありません。
花粉症だけを避けるのであれば、花粉の飛散の少ない都市をAAFAのサイトで調べるのが良いです。
また、今日の花粉量が知りたければ、pollen.comのサイトでチェックできます。
日本もアメリカも同じように花粉症になる可能性はあるということですね。
ただ、症状は違ったりする上、私の様に死にそうにひどくなるケースもあるので、早めに薬で対処するのが良いかと思います。
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