アメリカの新型コロナ休校でわかったオンラインラーニングはここまで進んでた

Parenting

新型コロナウィルスがアメリカに広がり始め、1週間の春休みがもう1週間延長と連絡がきた3月始めにオンラインラーニングの案内がありました。その後さらに2週間の延長となったため、本格的に先生が添削するリモートラーニングのスケジュールが発表されました。その内容は通常の授業に極力似せたもの。

内容を見て

 



これならしばらく休校でも大丈夫なんじゃないの

 

と正直思ったくらいでした。日本の友人たちは、学校が再開するのを心配しています。アメリカはピークがこれからだと言われていることもあり、なんと春休みの延長は5月1日までに。

ほぼ2カ月がコロナ休校となったわけです。

 

娘は小学校付属の幼稚園に通っているので、その幼稚園児に出されたオンラインラーニングの内容を紹介したいと思います。

 

春休みが5月1日までに

娘の学校の春休みは3月の2週目でした。ところがその頃はもう既に世界で新型コロナがじわじわと感染拡大していた時期。

アジア人の私は中国や日本を始めとするアジアの各地やイタリアの話を聞いているので、危機感がそれなりにありましたが、この時まだ周りのアメリカ人には新型コロナの恐怖はあまりないように見えました。

学校が延長を決定したのは春休み3日目でしたが、その延長期間も1週間。でも、アメリカの感染爆発はこっから始まってしまったため、その後2週間延長に。

 

そして、この春休み延長の1~2週間で恐ろしい勢いでアメリカ国内で感染者が増えていき、外出禁止令があちこちの州で発令。

毎日広がっていて、4月1日現在はアメリカの33州で外出禁止令が出ています。(リンクに各州の詳細が書かれています)

 

このまま全州に広がるのではないかという感じです。

 

4月末まで、他人と6フィート(180cm)の距離を保つSocial distancingも引き続き行うようにとのことで、例えばNY店でクルーの感染者が出てしまったトレーダージョーズではお店に入るにも、レジでお金を払うのにも、これを徹底しています。

 

NYの感染者や死者が爆発して大変なことになってしまっていますが、アメリカでのピークはこれからくるとのこと。4月3日までと言われていた春休み延長は当然さらに伸びると思っていましたが、その期間が『あと1か月』となったため、かなり思い切った対策だなと感じています。

 

確かに4月いっぱいは学校再開しても子供を通わせること自体が不安です…。

 

パソコンがなかったら…


オンライン授業に参加するためには当然パソコンかIpadなどのデバイスが必要になりますよね。大体の家庭で1台はパソコンがあるとしても親が仕事で使わなくては行けなかったり、兄弟姉妹が多くて足りない、という場合もあります。

 

今回私たちの市からは、子供たち全員がオンライン授業開始に間に合うように、グーグルクロームブックを貸してくれると連絡がありました。

 

幸い、私はデスクトップやlaptop、Ipadなどデバイスはあって娘一人なので借りることなく開始できたんですが、デバイスを子供たち全員分用意できること自体すごいですよね。実際には28000台のクロームブックが貸し出しされているそうです。そんなに一気に準備できるとは…。

 

やっぱり市や郡、州など一丸となってサポートし合ってくれているんですね。ここでのオンラインラーニングへの切り替えスピードやクロームブックの貸し出しなどの対応の素早さはさすがアメリカ、という感じがします。

 

セレブの子供たちがホームスクールにしていたり、障害があって学校に通うのが大変な場合などこういうリモートラーニングがいろんな場面で活用されてきたのかもしれないですね。

 

オンラインラーニングの教科

本来の春休み中に連絡を受けたオンラインラーニング。ただし、この春休みは当初一週間のみの延長だったので、時間割に沿ったものというわけではなく、先生がフェイスブックで本を読んだり、オンラインラーニングのリンクを紹介するという補助的なものでした。

 

ただ、学校や市も今後さらに休校が伸びることはわかっていたと思うので、それ以降のオンライン授業について先生同士がリモートミーティングで話し合っていたようです。

 

春休みが2週間延長と連絡がきたときに案内されたのは、まさに普段の学校での授業を自宅で再現できるような内容のものでした。

 

私の娘は現在幼稚園のため、今回の授業内容の詳細も幼稚園バージョンです。幼稚園と言っても6歳なので(テキサス州のキンダーは5~6歳)日本の小学一年生のイメージかもしれません。(内容は幼稚園にしては予想以上にしっかりしていました)

 

教科は

 
  • Reading/ Writing
  • Math
  • Science
  • Social Studies
  • P.E.
  • Art
  • Music
 

これは曜日ごとに行われている科目です。最後のP.E.(体育)がなかったりArtは週一だったりと少し変わるくらいです。でもオンラインの教育にちゃんと体育まで入っているのには驚きました。

 

どうやって進めている?時間は?

自宅でのリモートラーニングの進め方ですが、時間は特に決まっていません。

 

朝の8時くらいになると担任の先生から、今日の予定としてスケジュールがメールで送られてきます。家の事情や親の仕事もあると思うので、そのスケジュールの内容をこなせば時間は自由。

 

教科書はありません。

 

 

使う教材は次の2種類
  • オンラインテキスト
  • アプリ『Seesaw』
 

市が提供しているオンラインのテキスト


 

各生徒に与えられたパスワード入力してこのテキストにアクセス、そして各項目にもパスワード入力でアクセスできるようになっています。

 

 

テキストやゲーム感覚で学べる教材などがあります。内容もバラエティに富んでいてこの休校中にやれることもたくさんありそうです。

 

また、この中にある『Google Classroom』では先生が動画やワークを共有してくれています。

 

 

⇩この中にアート、音楽、など科目別に分かれて課題が。例えばアートの授業の場合。

 


担当教師から課題が出されているので、それをこなして、このクラスルーム上でその画像をアップして提出します。(ちなみに画像の左から、音楽、アート、体育、ライブラリーのクラスとなってます)

 

音楽の授業の場合、先生が歌っている動画に合わせて一緒に歌ったり、パワポ形式でアップされている歌のフレーズを聞きながら一緒に歌ったりします。

 

提出期限が設けられていて、それまでにこなせばOK。

 

 

 

 

Google Play アプリ『Seesaw』


このアプリは『Seesaw Class』と『Seesaw Parent & Family』があります。

 

Seesaw Classは、アメリカの学校の2校に1校、Seesaw Parent & Familyは4校に1校で使われているアプリです。

 

iOS とアンドロイドのアプリがあり、タブレット上でも使えます。先生が生徒に課題や宿題などを

出し、生徒がそれを終了し、アプリ上に写真や動画でアップし先生が添削してコメントを残してくれます。

 

生徒それぞれがIDとパスワードを与えられているので、オンラインマンツーマン授業に近いイメージかもしれません。また、クラス全体でシェアする場合もあり、まさしくオンライン授業が必要な今とても需要が高まっているアプリの一つかと思います。

 

ちなみに世界100か国以上で使われているのだそうです。

 

 

私の娘は今6歳でキンダーですが、5歳のプリKの時からすでにこのSeesawアプリを使っていました。Seesaw Parent & Familyでは自分の子供のジャーナルにアクセスできるようになっていて、そこに先生が、学校で行った娘のワークの様子や絵、作品などを写真や動画でアップしてくれます。

 

 

シェアする写真や動画は、先生がシェアする人を選択できるようになっているようで、全員がダンスをしている動画は全員が閲覧できるようになっており、個人的な写真は本人の家族に共有されるようになっています。

 

 

シェアされた写真や動画にコメントを残すこともできます。

 

この写真を娘の学校の先生は毎日更新してくれていたので、学校での様子や何を学んでいるのかがよくわかりとても助かりました。まだ5歳だと

 


『今日は学校で何をしてきたの?』

 

と聞いてもなんとなくぼんやりした答えしか返ってこないのですが、この写真をきっかけに学校で学んだことをより詳しく知ることができるので、これは本当に便利なアプリだと思います。

 

 

ちなみに今日の課題は

 

 

Reading …20分。オンライン上の本か自宅にある本を読む。感想を家族とシェア。ライティングと絵を描く課題。

math…動画を見る。seesawの課題をこなす。

social study…10分の動画を視聴

P.E.…体育の先生が自宅で撮った動画に合わせて同じ動きをする(google classroom)

music…先生の歌に合わせて一緒に歌う。(Google classroom)

 

全部をやって午前中に終わりました。

 

先生との交流

Seesawで課題をこなしてアップすると先生が翌日にコメントを残してくれます。

先生のメールアドレスは学校の初日の説明会で教えてもらっているので、質問があったりアクセストラブルなどがある場合はメールで連絡します。

 

各先生が対応できる時間帯も連絡があるので、その時間内であれば回答してもらえます。

先生からのコメントを見れることが娘のやる気にもつながっているよう。

宿題・提出物

グーグルクラスルーム、またはSeesawアプリで宿題が出ます。Seesawアプリはオンライン上でDrawingやWritingもできて、そのまま提出もできます。

 

 

 

アートは作品を作って写真を撮ってアップ、ノートにとったメモなどもアップ。Seesawのお絵かきは音声録音までできます。

こんな感じになっています。

 


 

絵を描いて、『T』のテキストで文字を入力。マイクのマークは音声録音、カメラマークで写真、この絵にコメントや補足なども追加できて、描いたらそのまま右上のチェックをクリックして提出。幼稚園のリモートラーニングでこれは面白いなと思いました。

 

公式サイトで使い方を紹介しています。



今の時代、日本でiPadで学習アプリを使わせてる親もいるんじゃないかと思いますが、日本の場合は個人的な使用ですよね。

アメリカでは学校の授業でできるので、全員がパソコンでの作業に早くから慣れることができます。

 

パソコン上で絵を描く娘の様子を見ながら、『6歳でこれだからそのうちフォトショとか使い始めるんじゃないか…』と思ってました。

 

休校の方が安心できる理由。

休校が約2か月近くになってしまった現在。もしかするとこれからさらに延長なんてことも、状況次第ではあるかもしれません。

 

ハッキリ言ってこれだけオンラインラーニングが充実してるなら、休校の方がいい、、、、そう思ってしまいます。

 

それはやっぱりこれからピークがくることと、アメリカ人の中で新型コロナに対する考え方が甘い人が割と多い事なんかを考えると、ここで子供たちを公共の場に送り出す勇気はとても湧いてきません。

 

本当は、オンラインラーニングでも6歳となると親が手伝うことが多いので先生の代わりもしなくてはいけなくなって大変だし、娘も学校の友達と遊べずにつまらなさそうなので、学校に行かせたい気持ちは当然あるんですが、やっぱりこの状況では怖すぎる…。

 

 

つい最近もコロナチャレンジといってトイレやスーパーの商品をなめて回る信じられない人たちの話が話題になったばかり。

 

近所の大きな公園には人があふれ、social distancingどころではなかったり、マスク習慣がないアメリカでは都市部はそうでもないかもしれないですが、私の周りではマスクをしている人はとても少ないです。

 

レストランはクローズしていますが、テイクアウトのみ営業して良いため、ファーストフードのドライブスルーは客が絶え間なくやってきます。

 

でも音声マイクだけではさばききれないようで、直接オーダーを取りに来るスタッフはマスクしてないし、手袋はしてるものの何となく不安。

 

外出禁止令とsocial distancingを取るように言われている中、学校ではまだ食料配布を行ってくれています。

 

ただ、受け渡し方法は、クロームブックの貸し出しと同じようにトランクに変更されました。

学校の入口に車をつけてトランクを開けると先生たちがランチと翌日の朝食を入れてくれる流れです。

 

こんな感じです。(トランク掃除しておかないと恥ずかしい…)


 

この新型コロナウィルス、、いったいいつ頃収束するのかわからず、仕事をなくした人や倒産する会社が増え経済が大打撃を受けてますがどうなってしまうんでしょうか。本当にとても心配です。

ただ、子供の学習はリモートラーニングのおかげでそこまで心配することがないのは良かったなと思っています。

 

これを機に日本でもどんどんリモートラーニング、オンラインラーニングが採用されていくと良いですね。

 

 

 

 

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