今からYouTubeを始める人も多いと思いますが、『YouTubeは稼げる』と同時に『不安定な職業』だと言われます。これはどちらもその通りだと思います。ここ数年で市場が大きく変化し、規則も大きく変化してきたYouTubeの今後はどうなっていくのでしょうか。これはアメリカのYouTuberを見て学ぶのが一番です。今回はYouTubeの将来を見ていきたいと思います。
YouTubeの将来性

私はYouTubeを2015年12月から始め、2017年に月収100万円を超えました。
YouTubeのための自己投資金額は300万円を超えています。
数々の失敗をしてきた中で今、激しく後悔していることがあります。それは、『将来的に通用するチャンネルを作らなかったこと』
これは、『コピー系スクロールで稼いでいた』『誰かのパクリや真似だけで稼いでいた』という意味ではありません。
アメリカのYouTuberを見てきているのに、『アドセンスに頼る』チャンネルしか作っていなかったことです。
これからのYouTubeは、アドセンス広告のみに頼るのは危険です。むしろそれだと時代遅れになっていく可能性がとても高いです。
今回は私の経験から、そしてアメリカのYouTuberたちを見てきて感じる、Youtuberの将来性について考察していきます。これからYouTubeで稼ぎたいという方に参考にして頂けるのではないかと思います。
時代の移り変わり

今までのYouTubeをざっくり分けると3つの時期になると思います。
- 誰でも簡単に稼げた1期
- 少しハードル上がった2期
- かなりハードル上がった3期
1期…この時期はド素人でもたくさん動画を上げれば稼げた時期でした。しかもTV番組やラジオ番組そのまま上げてもOKで著作権違反していてもスルーされていた時代です。2018年2月20日から収益化の条件が適応され始めたので、それまでは1期と考えています。
2期…収益化の条件(CH登録1000人以上、過去1年間の視聴時間4000時間以上)ができたため、それまですぐに収益が発生していたのが、条件をクリアし、審査に通過しないと収益化ができなくなりました。スタッフの目視が入るため、著作権違反はもちろんオリジナリティーのないテンプレート系の動画は通過しなくなりました。
3期…2019年後半~、それまで少しずつ参入していた芸能人や著名人、企業のYouTube進出が加速していきました。そして視聴者の目が肥えてきたことやレベルの高いクリエイターがどんどん出てきたため動画のクオリティーを上げる必要がでてきました。2020年1月からはキッズ系のチャンネルに対しての厳しい規制が入り、ここに絡むと収益への影響が出るようになりました。
チャンスはあるのか
現在YouTubeは月間ユーザー数が2億人以上います。そして毎分500時間の動画がアップロードされています。統計会社Statistaによると、YouTubeの広告収益金額は2016年に2.92億ドル(約3200億円)そこから毎年右肩上がりに上がっていき、2020年には5.47億ドル(約6010億円)とたった5年で2倍になっているとのことです。
ユーザー数が増え続けていること、それに伴い広告主が増えていること、その勢いが衰えをみせていないところから、今後市場がさらに拡大していくと予想されるためチャンスはまだまだあるといえます。
ただし、今までと同じ戦い方では稼げません。それは、参入者が増えただけでなく全体的なレベルが上がっているからです。
ライバルが増えると稼げなくなるか…これはYesでもNoでもあると思います。
Yes…他の人と同じことをしていれば、あなたの動画を見る必要がない。メディアなどマーケティングのプロが同ジャンルに参入していれば、負ける可能性が高い。
No…自分にしか発信できないことをプラスすればファンがついてくれる。ライバルより面白いものを作れば他のチャンネルや動画の関連動画から流れてきた視聴者が自分のファンになる。
顔出ししなくて稼ぐには

今は日本でも顔出しして発信する人が増えています。でも顔出ししない方が良い場合もあるし、顔出ししなくても稼ぐことは可能です。現実的に、見た目が良い方がクリックされやすいですしね。そして実際に顔出しなしのジャンルでたくさん稼いでいる人だっています。
ただ、顔を出した方がオリジナリティーは高まるし(パクリとされる可能性が低くなる)誰が発信しているのか一目でわかるのでファンがつきやすいと思います。
日本のYouTubeでは見た目が良い人の露出がまだまだ少ないので、見た目に自信があれば出る方が伸びるのが早いのではないでしょうか。というより、それだけで伸びる時代が終わるまでさっさと出た方が良い気がします。アメリカでは顔出ししている人自体が多いので、ちょっと可愛い、かっこいいくらいだけでは伸びません。内容が良い上でかっこいい/綺麗だとプラス。日本はその反対、という感じがします。
そんな顔出しが普通のアメリカですが、アメリカ人だって当然『顔出ししたくない』人はいます。
その点日本は顔出ししなくて稼げるジャンルが多いので、顔出ししたくない人には朗報かもしれません。その代表的なものといえば『漫画』

日本の文化であるマンガのジャンルはここ数年で一気にブームになっています。漫画家さんも今まで給料が安かったのに、YouTubeのおかげで稼ぎが一気に上がった人も多いのではないでしょうか。
内容は『姑と嫁のいざこざ』『恋愛』『会社の上司や同僚とのあれこれ』など、よくある話でオチが良ければ視聴回数はすぐ伸びるし登録者も増えます。でもこの限りではなく、どんなジャンルも漫画やアニメーションにできます。
ただこのジャンルは一気に参入者が増えてレベルが上がったので、外注費も数万円単位で上がっています。もし自分でマンガが書けるのであれば、逆にシナリオを外注化して自分で描く方が良いですが、動きをつけたり編集してもらう必要もでてくるかと思います。
他にこれからもいける顔出しなし系には『VTuber』もあります。顔出ししないけれどキャラがしっかりできているうえにどんなジャンルとも絡めることができるのでやりやすいのではないでしょうか。

その他、『顔』でなくても『声』でのキャラもあります。日本だとアニメの声優さんとかたくさんいますが、こういう人は声だけでファンが作れるので、いろんな声バージョンでチャンネルを立ち上げるのも面白いと思います。
アメリカのYoutuberの中で、企画が良いのはもちろん、声がよくて爆発的に人気になったチャンネルもあります。
アドセンスに頼るのは危険

顔を出すか出さないか関係なく、チャンネルのキャラにファンがつけば定期更新していくだけでチャンネルは伸びていき、それに伴い収益もぐんと増えていきます。
その収益が月に1000万円とかいうレベルならアドセンスだけでも良いと思いますが(そのレベルでアドセンスだけって人はほぼいないでしょうが…)なんといっても数年後が予測不可能なYouTube。もうセミリタイアできるところまでいっているのでなければチャンネルの規模に関わらずアドセンス収益に頼るのは危険です。
むしろこれからのYouTubeは、チャンネル自体で稼ごうというより、チャンネルを集客ツールとして利用して他のビジネスにつなげるべきだと思います。
アメリカではそっちのYouTubeマーケティングの方が主流です。YouTubeを利用して集客し、自分のブランドを拡大していく手法です。
そのため、これからYouTubeをやりたいという人は、他のビジネスも立ち上げておいた方がよいと思います。例えばYouTubeでお客さんを集めて自社製品を販売、もしくは他社製品のアフィリエイトをすることだってできます。インスタと絡めてフォロワーを増やせば企業案件も扱うことができたりします。
例えばアメリカのアフィリエイトプログラムの中には『インスタフォロワー〇〇人』以上いればアフィリエイトできるというものもあったりするんですよね。インフルエンサーの存在は高く評価されています。
私は今までYouTubeをメインにやっていましたが、毎日アップするというプレッシャーや動画内容を考える時間がとられ、他のことができずストレスをためていました。外注化してもやっぱり時間はとられます。良い外注さんが辞めたりするし、信頼できる人を探すのも大変。
今は、他のビジネスを立ち上げ、YouTubeはその集客ツールとして使おうと思って動いています。
例えば集客ツールの例を日米で比較してみます。
日本はじめしゃちょー:チャンネル登録者836万人 総視聴回数69億回
説明欄→ ファンクラブサイト(メイン)
サブチャンネル2つへのリンク
Twitterリンク(アカウント2つ)
インスタリンク
LINEスタンプ販売(2種類)
アメリカジェフリー・スター:チャンネル登録者1740万人 総視聴回数 21億回
説明欄→ 自社ショップリンク(メイン)
インスタリンク(ジェフリー・スターと自社コスメの2種類)
Snapchatアカウント
Twitterアカウント
Facebookリンク
日本で有名なYouTuberとアメリカで有名なYouTuberをランダムに上げてみました。アドセンスに関してはジェフリー・スターは動画数がはじめしゃちょーの半分以下なのと、日米の広告主の広告料やジャンルが違うので比較できませんが(ただしジェフリー・スターは2019年最も稼いだYouTuberのトップ10にランクインしてます)、注目したいのは、どちらも説明欄で他のビジネスに誘導しているところです。
はじめしゃちょーはアイドル的な存在で、自分自身を売る(ファンサイト、LINEスタンプ)のに対して、ジェフリー・スターは自社のコスメブランドがメイン。この人はメイクアップアーティストなんですが、他にも、
- 起業家
- シンガーソングライター
- DJ
- モデル
- インフルエンサー
- YouTuber
つまりYoutuberは数ある肩書の一つなんですね。
今後のYouTubeはこの『数ある肩書の一つ』であるのがポイントではないかと思っています。
そのため、これからYouTubeを始めるなら私は『他のビジネスにつなげられる』ジャンルを選ぶのが賢いと思っています。

アドセンスというのはYouTube動画の前や中間、そして関連動画の一番上、などに表示されるGoogleパーソナライズド広告ですが、これは『突然表示されなくなる』『広告がカスタマイズされない』ということも過去に起きています。
また、チャンネルの収益化ができなかった、途中からできなくなった、という場合もあるので、これだけに頼るとものすごくストレスが溜まります。そのため、私は将来を考えるなら
- アドセンス広告に頼らない
- YouTubeだけに頼らない
のが一番良いと考えています。
日本のYouTuberは海外YouTuber寄りになっていく
日本のYouTubeはアメリカと比べるとかなり新しいですよね。有名人や芸能人が最近になって参入し始めたことからもそれは言えると思いますが、今後はメディアや有名人の参入によってレベルがあがることで、海外のYoutuberに近づいていくと思います。そのため、他と差別化をするには海外のYouTuberから学ぶべきです。日本の有名人を真似しても将来性はあまりないと思います。
今後YouTubeを始めるメリットとデメリット
TVの時代からストリーミングサービスの時代になっています。日本でもTVが廃れる日がやってくると思います。アメリカではディズニーがついにストリーミングサービスに参入しているし(そうしないと生き残れないという判断)TV契約を切る人が増えています。
そしてYouTubeは月間2億人以上のユーザーが利用する巨大な市場です。
競合が増えても、観てくれる人も増えているから、観ていて面白い動画を作れば大きく稼げる可能性がとても高いのです。
また、ブログだと数々のASPに登録したり、長文を書いたり毎日頑張ってもやっと月に5万円というのも珍しくないですよね。それに比べるとYouTubeは関連動画に載ったりおすすめに載せてくれたりするので露出が高くなることで自分のチャンネルの他の動画の視聴に繋がり収益が伸びやすいです。また、動画の初めにスキップできない広告を載せてくれるので、ブログより収益が発生しやすいです。
アメリカではYouTubeをTVで見る人が多いです。私もスマホ、IPAD、そしてテレビでYouTubeを見ています。アメリカにはRokuというストリーミング端末があり、それをつなげば自分の好きなストリーミングサービスを簡単にTVで観れるのです。(アマゾンプライム、HULU、ディズニー+、Netflix、その他たくさん)
Rokuがなくても始めからスマートTVと呼ばれるインターネット接続機能を持ったテレビが主流でYouTubeはもちろん視聴できます。
TVでYouTubeを見るのが当たり前なら、TV番組として通用するレベルのクオリティーにしておく必要があります。

今は良くても将来、もっとすごいクリエイターやプロがどんどん出てくるからです。
そして将来日本でもアメリカのようにスマートTVもしくはROKU端末のようなものが出てきて一般的になってくると思います。
YouTubeは関連動画に載ったり、チャンネル登録ができるので登録してくれている人が動画を上げた瞬間に見てくれるというメリットがある反面、それがプレッシャーになります。動画を上げないと視聴回数が落ちてしまう、、ライバルに抜かれる…そんな焦りで動画を作るのがストレスになる日がやってきます。
そこで休みを取る勇気が出るかどうか、、うまく精神バランスを取って続ける必要があります。
将来も戦えるYouTuberになるには
① 自分しか発信できない特徴を持つ
② 今のYouTubeではなく、未来を予想して動画を作る
③ アドセンスではない分野で収益化を狙う
② 今のYouTubeではなく、未来を予想して動画を作る
③ アドセンスではない分野で収益化を狙う
★自分しか発信できない特徴を持つ
企業や有名人と一緒のプラットフォームで戦うには差別化しないといけなくなります。そこで自分しか発信できないものをプラスする必要が出てくると思います。私で言えば、海外在住シングルマザーとかですが、他にもオネエYouTuberとか〇〇オタクとか、そういうプラスアルファがあると差別化になります。
★今のYouTubeではなく、未来を予想して動画を作る
今流行ってるから、みんなと同じ流れでやればよい、だと多分今年しかもちません。そのくらいYouTubeやインターネットの世界の動きは速いので、3年後も通用するかを考えて作るのが良いと思います。そのためには、日本ではなく海外を見ることがポイントです。世界のトップレベルが今どの位置にいるのか、何をやっているのか、今すぐまねできなくても、そのうち日本でもこうなっていくな…と予測できるので準備ができます。
★アドセンスではない分野で収益化を狙う
私の中ではこれが一番大きなポイントだと思っています。精神面で振り回されないよう、他のビジネスを立ち上げておいたうえで『YouTube』を一つの肩書にするというイメージです。万が一YouTubeアドセンスで収益化ができなくても集客さえできれば困りません。まとめ
今後のYouTubeの将来性は、、市場が拡大し続けている最中なのでまだまだ大きな可能性があります。でも適当に始めるのではなく将来的なことを考えて戦略的に始めるべきだと思います。また、クオリティーを上げるためには外注化も必要となってくると思うので、他のビジネスからの収益を出しておけばそういう費用にも回せます。自社動画を広告に出す企業も増えるでしょうから資金のないYouTube初心者は別のところで頭をひねっていかなければならないのではないでしょうか。
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